高槻市の歯医者 まつむらファミリー歯科のブログ&コラム

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MRONJ

こんにちは。当院のホームページをご覧いただきありがとうございます。
高槻市のまつむらファミリー歯科 院長の松村淳史です。

 

昨年の学会でのお話ですが、日本口腔インプラント学会の近畿・北陸支部学術大会に参加してまいりました。
さまざまなお話があったのですが、いちばん印象に残ったのはMARONJ(Medication-Related Osteonecrosis of the Jaw)のお話でした。
MRONJとは薬剤関連顎骨壊死のことで、以下の3項目の診断基準を満たした場合に診断されます。
1.現在あるいは過去に骨吸収抑制薬か血管新生阻害薬による治療歴がある
2.顎骨への放射線照射歴がなく、骨病変が顎骨へのがんの転移ではない
3.医療従事者が指摘してから8週間以上持続して、口腔・顎・顔面領域に骨露出を認めるか、または口腔内・外の瘻孔からプローブなどで触知される骨を8週間以上認める
(米国口腔顔面外科学会より)

よく遭遇するのは、骨粗しょう症の薬を服用している方で、抜歯をすると治りが悪くて、歯茎がずっとじゅくじゅくしていて、いつの間にか抜歯したあたりから骨が見えてくるようなケースです。
骨のリモデリングに影響を及ぼすお薬を飲んでいると、抜歯後の骨の治りがうまくいかなくなってしまうのです。

今では広く認知されて、医科の病院でこの手のおくすりが処方される場合は、歯科の先生に服用を始めたことをお伝え下さいとの注意書きが渡されることが多いです。

この病気はインプラントにも影響を及ぼします。恐ろしいのは服用前にすでにお口の中にあるインプラントでも、周りの骨が壊死してしまうことがあるという点です。

MRONJを引き起こさないためには、
・お薬の服用前に外科的な歯科治療は終えておく
・感染源を減らすために口腔内の清掃や予防処置を入念に行う
・服用が始まったあとも、感染の兆候がないかを定期的にチェックする

MRONJが起こってしまったら局所の洗浄や抗菌薬の投与が必要ですが、外科的処置が必要になることもありますので、高度医療機関に紹介することも多いです。
当院は大阪医科薬科大学病院や大阪大学歯学部附属病院と連携しておりますのでご安心いただける体制が整っております。

ご自身が、「この薬って大丈夫かな」「この前から歯茎の調子がおかしいな」などご心配ごとがあれば、ご自身の判断で休薬することはせずに、まずはクリニックにご相談ください。

 

最後までお読みいただきありがとうございます!

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