こんにちは。当院のホームページをご覧いただきありがとうございます。
高槻市のまつむらファミリー歯科 院長の松村淳史です。
先日、有志の先生の集まりで構成される症例検討会に参加してまいりました。
歯科の領域では学会ではなく、特定の思いを共有する先生方が集まって意見交換をするスタディグループなるものが無数に存在しますが、今回はその垣根をこえて集まった30人くらいの歯科医師が症例を発表し、意見交換を行う会の年に一度の総会がありました。
私はソケットシールドテクニックと呼ばれる手法をテーマに発表をさせていただきました。
歯は骨に支えられていますが、骨は歯に支えられています。
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どういうことかというと、
歯の根っこは顎の骨に埋まっています。埋まっている歯を抜くと、まるで砂場に作ったおやまが崩れるかのように支えていた骨が減っていきます。
骨がないところにはインプラントは植立できませんので、骨を足す追加の手術が必要=からだへのダメージが増えてしまう
私達はできるだけ低侵襲(痛みや腫れが少ない)な治療をしたいので骨が減るのを未然に防ぐ方法はないのかと考えます。
そこで発明されたのがソケットシールドテクニックです。
2010年にヒュルツェラー先生らの研究グループが報告したこの方法は、
歯を抜いたら骨がなくなるので、歯を抜かなければいいじゃない!
という一見突拍子もない考えです。
抜かないといけない歯があるから抜くんじゃないの、と思われた方、
大正解です。
彼らが考えたのは、全部抜くのではなく、健全な部分は残して、いらない部分だけ抜きましょうというアイデアです。
これを実験で行うと大成功し、ヒトにも応用されることとなりました。
インプラント治療で欠かせないのが頬・唇側の骨の厚みです。これを維持するために外側だけ歯を残し、他は抜き、そのスペースにインプラントを埋入します。
残す歯の厚みや大きさ、場所など、繊細な治療となりますが、その恩恵は大きく、前歯のインプラントではほぼ必須となる歯茎を移植する手術が不要になることも多いです。
もちろん、残した歯が揺れてきたり、外に出てきたりする合併症のリスクはあるのでメリット・デメリットを考慮して患者様の希望も踏まえて治療計画は決定していきます。
痛くない、低侵襲なインプラントをお考えであれば一度ご相談下さい。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!